幸福王子

幸福王子の季節が終わり、もう冬ですね。もう2020年終わるやんけ。なんで?

やっと幸福王子の備忘録を書き終えたので、自分用記録として残しておきます。

1階席後方、前方、2階席、と色々な角度から見ての気づきがたくさんあって楽しい舞台でした。

バックバンドの方々の演奏もすごくて、「プロってすげ〜〜」と感動するばかりでした。

 

あの、まず、シンプルな感想言っていいですか?

 

今野大輝さん、声も顔も良すぎだろ

 

知ってたよ、知ってたけど、改めてこう目の当たりにするとね、顔と声が良すぎて圧倒された。

一番前で、誰とも被ることなく、堂々とステージに立つ今野くんの強い目を見て、「この人を応援していてよかったなぁ」って思った。

と同時に、今野くんの歌声とか表現がもっともっといろんな人に知られてほしいなと思った。

そして今野くん自身がこの舞台を通しての成長を実感しているのがとても嬉しいなぁと思う。本当に周りの人にたくさん褒めてもらったんだろうなぁ。

本当に、お疲れ様でした。コロナ禍で気を遣うことも多かっただろうけど、いろんなことを考えて臨んでくれたんだろうな。素敵な舞台に出逢わせてくれてありがとう。

 

さて、ここからは舞台のネタバレ含みます。もう舞台も終わってますが、気になる方はお控えください。

 

 

 

この舞台の中でもよく出てきたのが、「ゼロサム」という言葉だったと思う。

ちなみにゼロサムについての意味としては、「一方が徳をすればもう一方は損をし、それによって調和が保たれる。プラマイゼロ的な発想」というのが私の解釈である。よく分からない人は調べてもらえれば、と思います。

王子が言うには、この世はゼロサムゲームで、徳をする人間がいれば、その倍以上損をする人間がいる。銅像ではなく生きていた頃の自分は徳をする側の人間、つまりは富裕層で、そういう人間の下には貧困層の人間がいる。しかも富裕層一人につき、たくさんの貧困層の人間がいる、と言う。

 

しかしそんな理論的な考えの王子とは対照的に、純粋無垢に「だったら人間にはなりたくないな」と言うツバメ。ツバメは熱しやすく冷めやすいタイプなんじゃないかなぁと思う。そして、とにかくピュア。ツバメちゃんのピュアな力、まじですごいよ。スズカツさんもダイジェストのインタビューで言ってたように、「最初の一言で"あぁ、このツバメ、好きになれる"って思える」ツバメだったなぁ。全体的に暗いというか、社会風刺的な要素が多い話の中で、今野くんのツバメは救いだったように思った。

どこまでも単純で、素直で、そして多分ちょっとおバカなツバメちゃんが、毎公演愛おしかったなぁ。また会いたいよ〜〜〜(私情)

 

王子の願いを代わりに叶えていく中で、ツバメは王子に恋をしていくわけです。まぁでも幼い(年齢には触れられてないけど若者って言ってたし、性格的なものも含めて幼いのかな、と)ツバメが、寒い冬を一人で越せるわけもなく、結局ツバメは死にます。

わたしはこのツバメの死もある意味ゼロサム理論に乗っ取ってるのでは、と考える。
ツバメは王子の願い(という名の我儘だと私は思ったけど)を聞いてあげ、その中で王子は「貧しい人にお金になるものを与える」という願いを自分の原理に基づいて叶えたけど、それと引き換えにツバメは死んだ。

「誰かの成功は誰かの失敗」ってそういうことか〜〜、と納得。ここでいう成功は王子の願いを叶えること(それがその人にとって最善かどうかは別で)、そして失敗とはツバメの死。あくまでわたしの考察ですが。

 

ただ、ツバメの死が本当に失敗だったのかは、わたしには分からない。

もし仮にツバメが、薔薇に恋する気持ちを抑えてエジプトへ行っていたとしたら。ツバメは死なずに済んだかもしれないが、それはツバメにとって"幸福"なのだろうか。仲間と離れ、一人で銅像の王子の下で死んでいったツバメは"幸福"だったのだろうか。何度観劇しても、何度考えても、わたしには分かりませんでした。多分これから何回見たとしても、毎回考えるんじゃないのかな。

ただ、ツバメが"幸福"だったらいいなと願わずにはいられなかったなぁ。例え短い命だとしても、幸せに生きてほしい。心からそう願えるツバメだった。本当に真っ直ぐなところが今野くんにそっくりだった。だから大好きになれた。

 

真っ直ぐでピュアなツバメとは対照的に、高圧的で独善的な王子もまた印象的だった。

自分が正しいと思ったことをする、正しくないと思ったことはやらない。独善的の何が悪い?協調的で正しくないことをやる方が嫌。(このへんはかなり意訳)

「めちゃめちゃワガママやんけこいつ」とイラついた反面、その強さが羨ましいな〜と思ったりもした。わたしは周りに流されてばかりの意思弱人間なので。

王子にとっての"幸福"とは貧しい人々を救うことだと解釈したんですが、そんな王子の"幸福"のために(結果として)命まで捧げたツバメのことを、王子はどう思っていたんだろう。少しでもツバメのことを愛していたのだろうか。ツバメが王子のことを愛していたということは分かったけど、王子がツバメのことをどう思っていたのかは触れられてない気がした。その辺は"想像してください"ということだろうなぁ。おもしれ〜〜。

 

とにかくこの舞台を通して、幸福とは何か、めちゃくちゃ考えた。めちゃくちゃ考えた結果、わたしにとっての幸福って、今野くんが幸せに生きることなんだよな、ということに辿り着いた。悲しいことが多い今の世の中で、好きな人が生きてることって本当に当たり前でもなんでもなくて、奇跡なんだなぁと思う。別にアイドルじゃなくなってもいい。音信不通になってもいい。それでも、どこかで幸せに生きてくれることが、わたしの幸福なのかな〜なんてぼんやり考えた。いや重くね?それな。

 

こんな素敵な舞台に出逢えて、本当に幸せです。出逢わせてくれて、本当にありがとう。

また王子とツバメに会えますように。

 

 

 

 

(追記)大晦日に秋の現場の備忘録を残す大馬鹿者はこちらです。幸福王子、ダイジェスト映像、よかったら見てください。ツバメちゃんソロの眠くなる歌も少しですが聴けます。サントラと円盤、いつでも待ってます🎵(結局そこ